パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

重陽(ちょうよう)の節句 Double Ninth Festival

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今日は重陽(ちょうよう)の節句
 
3月3日が桃の節句なら、5月5日は菖蒲の節句、7月7日は笹の節句であり、
9月9日は菊の節句である。
 
1月7日は月日が重ならないが、七草の節句で、合わせて五節句となる。
 
 
 
今日は「菊尽くし」で、菊の物を重ねてもいいので、母の作の菊の茶碗と菊の皿と、菊の干菓子を誂えてみた。
 
与一の車輪も、菊のように見えるとのご指摘も。
 
 
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菊は日本的な花のようだが、平安の初期に中国から渡来したようである。
万葉集には一句もない。
 
鎌倉時代後鳥羽上皇が菊の花の紋所を使ってから、皇室とのゆかりが始まり、やがて日本の象徴になったという。
 
この写真はオランダ菊。
日本から渡った菊が、ヨーロッパで人気が出て盛んに栽培された。
 
艶(あで)やかな色彩が、西洋から見たオリエンタルな感じだ。
19世紀末、西洋絵画の中の菊や工芸品などに見られるデザインがこんな風にこってりしている。
 
ひなびた野菊の風情とは異なるが、これはこれでまた美しいと思う。
 
重陽節句を、英語でDouble Ninth Festival,というと、ずいぶん印象が違う。
 
 
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これは「菊尽くし」という日本舞踊の演目である。
5歳の舞台で、菊の笠を両手に踊っている私。
 
後ろに黒子役の先生がいて、小さい声で振付を教えてくれている模様。
 
 
 
3月3日の雛祭りに対して、9月9日は「後の雛」といって、虫干しを兼ねてもう一度お雛様を飾ったりもするらしい。
 
今日はまだ蒸し暑く湿気があるので、旧暦の重陽節句(10月9日)には、お雛様を出してみようかな。
 
 
 
 
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