パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

20年ぶりに出してみましたお雛様②三上戸と五人囃子

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小さいときは泣き虫で、いつも兄にからかわれては怒り泣き。
泣きそうになるたびに「泣き上戸になっちゃうぞ~」と脅かされていた。

でも、この泣き上戸くんは可愛いし、別に脅しになってないな。

後ろに見えるのは桜の木。

 

平安京の紫宸殿を模し、お雛様の両側には、左近の桜(さこんのさくら)、右近の橘(うこんのたちばな)といって対の木を飾る。

橘(たちばな)は柑橘の実をつけ、四季を通じて生い茂り縁起がよいとされた。

五月の節句の歌で、
たーちーばーなかおる♪」という一節があるが、みかんやオレンジの花のようにいい香りがする。

この歌を音で覚えて、小さい頃「たちばなかおる」という人名だと思っていたという人がいた。

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左から、笑い上戸くん、怒り上戸くん、泣き上戸くん。
随身というお供の家来だ。
真ん中の子は、靴をささげ持っている。

 

小さなお膳を囲んで、お人形さんごっこをして遊んだ。
後ろの嫁入り三点セットは、小さくてもちゃんと引き出しがあく。

今思うと日本のドールハウスというところ。

 

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五人囃子の中央の鼓を持った子は寝癖がついている。
なでつけてもうまくまとまらない。

20年も箱の中で寝ていたのだもの。

 

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私のおひな様は真ん中の女官が立ち姿で両脇が座っている。
今デパートで見るひな人形は中央の子が座っているのが多いみたいだ。

 

しかし、この三人官女の右の子はすごい寝癖がついてしまっている。
ちょっと怖いくらいだ・・・。

自分のお雛様だから愛着があるけれど、
人のお人形って、コワイかもしれない。

 

 

先日の歌舞伎「三笠山御殿」では、玉三郎さまふんする村娘お三輪が、御殿の女官たちにたっぷりいじめられるシーンがあった。

やれひしゃくの持ち方が違うとか、歩き方がなっていないとか。

 

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左から、太鼓、鼓、小鼓、お囃子、横笛。少しづつ表情が違う。

3月3日のひな祭りまで、早く出すのはいいが、いつまでも出していると嫁に行き遅れるなどといって、母は早々にしまった。
私に任せておくといつになるかわからないから。

自分や妹たちの人形を片付けていた母は、結局、娘の分もしまわなくてはならなくて、やはり小さな木目込み人形にしたのは正解だったのかもしれない。

 

 

 

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