真鍮(しんちゅう)製の折尺(おりじゃく)、たたみものさしともいう。英語ではcarpenter's ruleというらしい。
これも、パリの蚤の市でもう店じまい直前に買ったもの。
2か所の露店で見たから、フランスでは珍しいものではないのかもしれない。
これがまた、物差しの細さと長さと薄さが絶妙の美しさ。
たたんだ時の厚みも手に収まりやすく持ちやすい。
真鍮のものってなんとなくいい雰囲気。
昔、木で出来ている折尺を見たことがある。
大工さんが持っていたと思うけど、もっと太くて大きかったと思う。
いいや、大工さんじゃなくて、建具屋さんだったかもしれない。
手の脂で飴色になった木の、それはそれでよかったような気もするけど。
真鍮製のはとても珍しいと思うのだが、日本にもあるのかなあ。
写真では触感やバランスが伝わりきらなくて残念。持ってみると本当にいい感じなのだ。
これは帰ってきてから磨いていない。
この前のハサミとは違って、使うのに研いだりする必要はないし、あんまりピカピカにすると安っぽくなってしまうから、これはこれでいいのである。
なんでもかんでも磨けばいいというものではない。
(アンティークはなんでもかんでも汚ければいいというものでもない)
機能を無視した「役に立たないものの美しさ」と、機能を追求した「道具の美しさ」は、対極にあるが美の双璧である。