パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

青い花③Cannes ジャカランダ Jacaranda_mimosifolia

青いジャカランダの花2.jpg

 
カンヌ市役所の前に、鮮やかな青い花の、大きな木がある。
葉はふさふさとしたミモザのようだから、豆科の植物かな?
でも花は小ぶりの桐の花のようだし、、、なんだろう。
 
 
そう思って調べたら、ノウゼンカズラ科のジャガランタ(Jacaranda mimosifolia)という。
ブルー・ジャガランタともいうらしい。
木の背が高く、咲いているものを近くで嗅ぐことはできないけれど、落ちた花からは少しウッディでハニーの甘い香りがした。
 
青いジャカランダの花3.jpg
 
 
桐(キリ)はノウゼンカズラ科(ゴマノハグサ科にも分類される)のキリ属。
こちらのジャガランタは、同じくノウゼンカズラ科のキリモドキ(桐擬き)属だから、やはり桐とは親戚にあたると思われる。
(葉の形はだいぶ違うけれども)
 
 
ジャガランタと言えば、紫檀(したん)と呼ばれる、家具やギターなどの材に使うものと思っていた。
でもこれは、マメ科のローズウッド(Delbergia sissoo)で、この青い花の木とは別種の植物である。
ギター奏者に言わせると、熱演すると楽器からバラの香りがしてくるのだそうだ。(私は楽器を熱演したことがないから体験はないが)
 
しかも、香料を採るローズウッドは、クスノキ科のまた別種の植物なので、なんだかややこしい話だ。
 
どちらもバラ科のバラとは関係がない。
 
 
 
青いジャカランダの花4.jpg
 
カンヌの市役所前に咲くジャガランタ。
青が蛍光性を帯びて見える。
 
もともとアルゼンチンなど南米原産の花だから、
この南仏の強い日差しの中で、発色がよくなるのだろう。
 
 
 
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