パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

カタバミ(オキザリス ・トライアングラリス) Oxalis triangularis

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カタバミなんて、あまり目を引かない道端に咲くつまらない花・・・。
と思ったらこんな派手な種類もある。

ブラジル原産のピンクのカタバミオキザリス・トライアングラリス。
大きな三角の紫の葉がとても変わっている。

ピンクのカタバミは、黄花種に比べて背が高く花も大きい。
球根植物で夜には花をつぼんでしまう。
うつむき加減の花と、スカートを広げたようなエレガントな様子はなかなか素敵だったりする。

 

 

小さな黄色の花のカタバミは、いたるところに見られなじみ深い。
こちらは匍匐(ほふく)性で、小さな緑のハート型の葉をしている。

この草の周りには、カタバミのサイズにふさわしい、
これもまた小さなシジミ蝶がよく飛んでいた。

 

小学生の頃、この黄色のカタバミを摘んで花束にした。
小さな花は、おままごとにはちょうどいい。
しかしひととき飾られてやがて萎れた花は、帰る時間にはすっかりと忘れられてしまう。
いくらでもはえているし、いくらとっても次々と咲く丈夫な草だ。



この葉をもんで、汚れた十円玉をこすると、ピカピカになる。
別の名前、酢漿草にもあるようにカタバミの葉はシュウ酸を含むので、銅のさびが落ちてきれいになるのだ。

 

大人になってからは、芝生の間に生えたこの小さな黄色いカタバミをとるのに一苦労した。

カタバミは、地表だけを摘んでも根絶することはできない。
時間はかかるが根気よく根まで掘らないとすぐにまた生えてくる。

どんどん広がってしまい、庭中にはびこってしまうのだ。

そのためか、「人柄を判断するならカタバミを取らせてみろ」とかいうことを聞いたような気がする。
「嫁を取るなら」だったかも・・・?うろ覚えだけど。

 


なんでも手早く表面だけ要領よくやっても、結局、大事を為さないので、ゆっくりでも丁寧に根気よ作業する人を選べというような意味だったと思う。
昔の人はキビシーなあ。

 


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➤植物事典 カタバミオキザリス ・トライアングラリス)
             カタバミ科カタバミ属 学名: Oxalis triangularis

 

 

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