これはフキノトウ(蕗の董:Petasites japonicus)。すっかり伸びて花が咲いた。
野菜など成長しすぎて、食べごろを過ぎてしまうことを「董(とう)がたつ」というが、まさに董がたって食べられないフキノトウ。
フキノトウが雄花と雌花と異株ということは、小説の中で知った。
そうはいってもどちらなのか、まだよくは判別できないのだが、星のような小さな花の形から、これは雄花ではないかと思われる。
早春、葉が出るより先に蕾が地面から生えてくる。
これがフキノトウで、摘んで食用にする。
摘まぬとこのように伸びて花が咲く。
ふきのとうの天ぷらは大好き。タラの芽も好きだ。
春の山菜の天ぷらは、ほろ苦さがすがすがしい。
こういう味覚の嗜好は、日本に生れて育った中にあると思う。
フキの葉は形が面白い。
コロボックルはこの蕗の葉の下に住むという、小さいころに読んだ伝説があった。
「筋(すじ)の通ったふーき♪」という歌もあったけ。
でもきゃらぶきとか煮付けとか、茎や葉の方は本当はあまり好きではなくて、お弁当の中に入っていると残したりしてしまう。
身近な暮らしにありながら、いろんな知識が断片的で、よく考えたこともなかったことって多い。
フキについては、ようやく繋がってきた。
こうして書いたり人に話したりするとき、アレ?どうだっけ、とか考えて調べたりして改めて気がつく。
貯め込んだ知識のおさらいのようなもの。
これは秋から冬にかけて咲くツワブキ(Farfugium japonicum )。
葉の形こそ似ているが、花の色も形も全然違う。
ツワブキは黄色い菊のような花だ。