パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

パリ ルクサンブルグ公園 アルフォンス・ミュシャ展

ルクサンブルグ公園でミシャ展

秋のルクサンブルグ公園

 

犬も歩けば棒に当たる、パリを歩けば、心惹かれる展覧会には必ず出会うものです。
 
 
 
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このときのパリ滞在は、リュクサンブール公園(Jardin du Luxembourg)のそばを選びました。ホテルは大通りに面した賑やかな場所ですが、道をちょっと入ればすぐに公園です。
 
秋の朝の公園は、金色に染まっています。並木道も、大きな葉が色づいて、風にハラハラと落ちてきます。いまごろは桐の花が華やかに咲いてるでしょう。
 
ヨーロッパに来ると、一人で過ごす時間がとても充実するんです。
 
 
 
ルクサンブルグ公園

ミュシャとの出会い

リュクサンブール公園の中、ここではミュシャ展をしていました。10年ほど前も、ぶらっと来た時にかなり大きなラリック展をしていて、思わず入ったことを思い出しました。
 
 
 
ミュシャに初めて会ったのは16歳の夏休み。お父様の赴任についてロンドンへ転校してしまった友達に会いに行った時のことです。
 
ロンドンの道を歩いていて、アートギャラリーに飾ってあるポスターに一目ぼれ。「月」と「明けの明星」、「宵の明星」、「北極星」の4枚の連作でした。
 
 
ミュシャの四季の女神
 
 
高校生のおこづかい、手持ちのポンドではがんばっても1枚しか買えません。さんざん迷って「月」のポスターを選んだのですが、ウン十年後(フフ)、その本物にまたお目にかかることができました。
 
いちばん左が私の持っていた「月」の女神です。
 
 
とても気に入って、高校から大学卒業後もかなり長いこと部屋に飾っていたのですが、残念なことに実家の度重なる引っ越しにいつしかなくしてしまいました。
 
 
 
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そんなこともあり、リュクサンブールミュージアムのショップで、「月」の小さな手帳とポストカードを見つけたときは嬉しくて、つい買ってしまいました。
 
手帳はおみやげに、カードは小さな額に入れて飾ろうかな・・・。
 
ちょうどよい額を見つけたら、壁にかけて写真を撮り、ブログにアップしようなどと考えているうちにもう半年が過ぎてしまいました。
 
連休にかけてアトリエの部屋を思い切って片付けようとしているときに見つけ、昨年のスイスでの講演のこと、その後のパリの楽しい日々を思い出してじんわりとしています。
 
 
 
 
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これは、ミュシャの素描。女性像だけでなく、植物も本当に素敵です。ミュシャは日本でもとても人気がありましたから、東京でも何度も展覧会があり見に行きました。
 
 
最近では少し熱も冷めてしまいましたが、大学生のころからアールヌーボーのとりこになり、そうですね、30代くらいまでは本当に夢中になって、しょっちゅうミュシャやラリックの図録を眺めていたのではないでしょうか。
 
「四季」や「四つの時」などのシリーズ、「曙」と「黄昏」なども好きでした。周囲を額縁のように取り巻く花の装飾が、日本の掛け軸に影響を受けていると知ったのはだいぶ大人になってからです。
 
 
ミュシャの描く美しい花や女性像を見ていると、どんどん空想が広がって、なぜか胸が苦しくなったものです。ずいぶんと古典的な、、、少女趣味が続いたものですね。
 
アルフォンスミュシャ晩年のの絵
 
 
そして、今はアトリエの玄関に少し地味目のミュシャが掛かっています。
 
あまり華やか過ぎないのが、ここにはちょうどよいと思っています。
 
 
 
 
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