パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

いずれゆく彼の岸にて待て君

もっとも多感な時期を共に過ごした友人が去って一年。 通夜、告別式、四十九日とのいくつもの儀式を経て、少しずつ心の整理がついていくのだろう。 あの日と同じ秋晴れの一周忌にて、境内から墓地に向かえば、やはりあの日のように金木犀の香りが漂っている…

きんもくせい ソネット Sonnet Osmanthus

今年もまた、金木犀(きんもくせい)の季節がやってきた。 きんもくせいの香りは、幼い頃の記憶に繋がっている。 秋の透明な空気の中、甘いこの香りが漂うと、ランドセルを背負って走った通学路を思い出すって書くのは毎年のこと。 こんな風に香りに昔を懐か…

ヒュミディテ Humidité

ときに、遠く内陸まで届く海の匂い。満潮と低気圧で、海水が川をさかのぼって来るのだろうか。 エレベーターを待つテラスから、重い雲の連なりが見える。 または夏の終わりの夕方。 激しい雨が落ちてきたかと思うと突然にやんで、濃密な夜が来る。 湿度。 ア…

ハナゾノツクバネウツギ  Abelia×grandiflora

ハナゾノツクバネウツギ、アベリアの仲間。 ベル状の白い花をたくさんつける。 7月末に撮影。 名前の由来は花の落ちたガクの部分が「ツクバネ」という植物の種子と葉の形に似ており、花はウツギに似ているからだそうだ。 その「ツクバネ」というのは、羽根突…

ルビーと18金のルーペ lupe 拡大鏡  magnifying glass 2

先日、18金のルーペのことを書いていて思い出した。 十年前、母の誕生日のためにオーダーしたペンダントルーペ。 懐中時計のようなバチカン(吊り下げ金具)がきれいな、 これも18金のハンドメイドである。 最近あまりしていないので、どうしたのか聞いてみ…

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