パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

オランダ便り3 アムステルダムの街 Amsterdam

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南仏からオランダ、アムステルダムへ移動。約1000kmの距離である。
 
6月のこの時期、日没(にちぼつ)はカンヌが夜9時だったが、アムステルダムはさらに遅く夜10時、かなり北にあることがわかる。
 
皆、暗い冬を取り戻すかの様に、夏の光を浴びて長い一日を外で過ごす。
 
アムステルダムは王宮を中心として、運河が玉ねぎのように幾重にも取り巻いている。東京なら、皇居をお堀が囲んでいるような感じとでもいおうか。
 
 
 
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私が滞在したのは、アムステルダム国立美術館のすぐそば。お取引先の香水店(アニンドリアパフュームラウンジ)からも近い。さらに、徒歩3分のところにはフォンデルパークという(まるで新宿御苑のような)大きな公園の入り口もある。まさに理想的なロケーション。
 
 
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街の雰囲気はカンヌ、モナコの底抜けの明るさとももちろん違い、またパリの華やかさとも違う。落ち着いた外観の建物が並ぶ、シックな街並みである。
 
 
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それまではフランス、イギリス、ドイツに比べ関心の薄かったオランダだが、一昨年から取引が始まって、歴史本などを読んだりしている。
 
しかし、歴史、芸術、商業など、にわか勉強ではとても追いつかない。思えば鎖国の時代から日本とはかかわりが深く、友好関係にあったので、もっとよく知りたいと思っている。
 
 
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こんなかわいいお屋敷を見ると、童話の世界を思い描いてひとり小芝居などしてしまう。
 
17世紀、ここは比較的裕福な商人の家。
 
ファン・ロイスダールは、新しい若い取引相手を午後のお茶に招く。「シャルロッテ、こちらはヴォルフさんだよ。ご挨拶をしなさい」「はじめましてヴォルフ様」「はじめましてシャルロットさん、なんとお美しい・・・。」と差し出された白い手を取り軽く接吻をする。。「お父様、私、ヴォルフ様にピアノを披露いたしますわ」
 
とかなんとか、本当のところ当時のオランダの風俗や習慣などはまったく不確かであって、歩きながら浮かんだ、単なる妄想である。。
 
 
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私は新しい場所に来たら、まず家の周りを歩くことから始める。家に戻ったら、その日歩いた「通り」の写真、地図を一致させる。
 
そうして今いる位置を確かめつつ、バス、地下鉄、トラム、列車などその地域の公共機関などを使い行動半径を広げていく。
 
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似たような建物と曲がり角なので、帰り道を迷いそうになる。そんなとき目印となったのがこの赤いバラ。素晴らしい香りがあたりに漂い、家へと導いてくれる。
グーグルマップをを使えば簡単なのだろうけど、いまだにアナログである。
 
 
同じアムステルダムでも、郊外に行けばまた異なる雰囲気を持つに違いなく、それはまた少しずつ足を延ばしてみたいと思っている。
 
 
 
 
 
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