パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

新宿御苑 Shinjukugyoen

 
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新宿御苑 Shinjukugyoen

 
森が必要。
 
そも散歩に行こうと思ったときから、ケアは始まっていたのであり、森に一歩踏みこめば、その安らぎにすっぽりと抱えられ、心の荷物をゆだねてしまえる。
 
雨上がりの森の小道、せせらぎの小さな音ともつれあうように、細かい光がチラチラと揺れる。かたわらを歩くにつれ、実はとても疲れているのを感じ、草むらに身を投げ出したい気持ちになる。
 
浅く澄んだ川底の小石の上を、ゆっくりと落ち葉が去っていく。次々とまた枯れたものがやってきては流れていくのを眺めているうちに、頭の中は静けさで占められていく。
 
 
 
何もしないこと。
眠る時間は、育つ時間。
 
20180627新宿御苑ムクゲ.jpg
 
槿花一朝(きんかいっちょう)の夢。
 
次々と生まれ咲き続けるムクゲの花。
一輪の生涯は、樹の一生のひとこま。
 
枯れない花ははじめから死んだ花。
 
 
20180627新宿御苑落羽松.jpg
 
 
風に音があるのではない
風を受けたものが音を奏でる。
 
森に香りがあるのではなく
香りをつかまえた者が物語を聞く。
 
 
星が瞬くのは、空気があって揺れるから。
人の表情は、気分のゆらぎによって明滅する。
 
では、またたくことなく煌々(こうこう)とひかり続けるのはなんと苦しいことか。
 
 
20180627新宿御苑楓.jpg
 
暗い気持ちなら、花は傲慢になり、
やさしい気持ちなら語りかけてくれると感じるのは、
私の心の動き。

木や草に貴賎はなく、ただそこにいる。
植物が教えるのではなく自ら学ぶだけ。
 
草木を鏡にして、私のこころを映す。
それは染まらない、ひたすらに映すだけ。
 
 
 
 
 
@Sinjukugyoen national garden
 玉川上水内藤新宿分水散歩道
 楓(カエデ)
 落羽松(ラクウショウ)
 
 
 
 
 

 

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