久しぶりに捻挫をした。数十年ぶりである。
今日はごく個人的な日記である。(まあいつもそうだけど)
先週土曜日の朝、人気のない新宿御苑の中を機嫌よく歩いていたところ、
歩道のマンホールの横に大きな段差があったのに気が付かず、あっと気がついた時は「ぐきっ」という音とともに倒れていた。
― うーむ、起き上がれない・・・。
― 思ったより事態は深刻なようだ。
― しかし遠くから人がこっちに歩いてくるのがちらっとみえる。
― これは恥ずかしい。いかにもトロイ・・・。
― 早く起きなければ・・・。
短い間に考えが頭の中をぐるぐるとまわる。
衝撃からどのくらいたっていたのだろう?
ゆっくりと半身を起こしあたりを見回す。
帽子が遠くにすっとんでいる。
なにげなさを装いながら立ちあがり、帽子をひろって被っているうちに、横を若い女性がなにごともなく通りすぎていった。
― 見ないふりをしてくれたのかな。
― 労(いた)わられても照れくさいものだし。
ちょっと足首がブラブラするが、骨が折れたようではないのでアトリエまではなんとかいけそうだ。
こうなると距離があるが新宿御苑の中ではタクシーを呼べるわけでもない。
片足だけ引きずると、反対側に負担がかかるので、能の歩き方のように(またはアシモ君のように)しずしずと歩いて戻った。
帰り道、
― あーあ、あの時分かれ道でバラ園のほうに行っていたら、転ばなかったのに・・・
― あの暗い池沿いの道から、橋のほうに出たとき一瞬まぶしかったからなあ・・・
これは腫(は)れそうだ、と思ったときに後悔がよぎる。
新宿御苑に入ってから、ひとつも写真を撮る前に転んでしまったので、帰り道に見つけたナツツバキをとりあえず撮影。
これはにおいがあまりない。
ナツツバキは一日で花は落ちてしまうから、まだきれいなまま苔の上に散っているさまがとてもきれいだ。
って、道草を喰っている場合じゃないのだ。
一刻も早く戻って「冷やし、圧迫し、高く上げ」ないと悪化してしまう。
しかしこの時になって、「よくカメラを壊さなかったものだ」と吾ながら感心。
長袖を来ていたとはいえ、手やひじは全くケガをしていないのは幸いであった。
久しぶりの捻挫(ねんざ)からいろいろ思い出すものがあった。
高校・大学時代は練習で、しばしば捻挫をしていたものである。
中学の頃は、捻挫をすると練習が休める上、ちょっと大事にされたりしたものだが、
1970年代アメリカからプロバスNBAの情報や最新のトレーナー技術が入ってきてからというもの、
けがをしたからと言って休めるわけでもなく、体育館のすみでアイシングとテーピングをして即、試合に復帰しなければならない。
痛い分、損。
懐かしく思い出しながら、新宿御苑から戻ってすぐに流水で冷やす。
もとバイトのT君(彼もバスケット部)に電話をして、テーピング用のテープを買ってきてもらう。
何十年ぶりに見るのだが、受け取ってみると当時のテープ類とまったく変わっていない。
しかし彼はテープだけ置くと、無情にもそのまま練習に行ってしまったので、仕方なく自分でテーピングをする。
久しぶりなのでちょっと手間取ってしまう。
あとは足を上げたままにして、血が下りてこないようにすれば腫れなくていいのだが、仕事があるのでそうもいかず、ついアトリエ内を歩いてしまう。
だんだんズキズキがひどくなってきて、ちょっと冷や汗も出てきたけど・・・。
健康な時、思いのほかアトリエ内を歩きまわっていることに改めて気付いた。
健康ってありがたいな。
と言っているまに1週間。
足はもう大丈夫なので書いてみた。
さて、トップの写真は大学時代の合宿中のシーン。
当時の私は男の子みたいなショートカットで、むかって右隣は今も親友のひとり。
「ねえねえ、顔の写真出してもいいかなあ?」と聞いたら、
「どうせ今と全然違うし、誰もわかんないだろうからいいよ」ということでツーショットである。
感慨深い。私が来ている星☆のトレーナーは、NBAのどこのロゴだったんだろう?