その日もいつものように新宿御苑へ行った。帰り道、歩いていると、すぐ頭の上から、「ジジッ」と蝉の声がする。「ああ、この上の木の枝近くにいるんだなあ・・・。」
そんな風に思いながら、ビルの中に入り、エレベーターに乗ろうとしたら、またすぐそばで「ジジッ」と言う。
「アレ・・・?アレ・・・?エッ・・・?なんでまたこんな近くで聞こえるのかな・・・・(タラー)」
『やっばいよー。私についているんじゃない!!』
絶叫したくなるのをこらえ、急いで部屋に入る。
新宿御苑から戻ってきて、まだアトリエは誰も来ていないから、助けを呼ぶことはできない。
「ジジジッ!」
『ギャー!!ぜったい私についている!』
叫びたいのをこらえて、捜索。
帽子にはいない。。。そーっと鏡を見ると・・・・背中にいる!!!しかも這い上っているではないか。
『セミって高いところへ登る習性があるのか?』なんてどうでもいいことを考えながら・・・パニックに。
シャツを脱ごうにも、めくったら髪の毛についてしまう。つぶしちゃったら悲惨だ。。。
頭の中に「こうなったらどうしよう」がぐるぐると渦巻く。
そーっとそーっと、頭を抜いて、シャツがひっくりかえらないように、布地を伸ばして伸ばして・・・・。
ああー、やっと脱げた!と思ったら、シャツのどこにもセミがいない~(泣)
やーん、もしかして、髪の毛の中に入っちゃったのかな?
アセアセっと長い髪をバサバサとほぐしてみる。足をじだんだ踏みながら、髪を振り乱す。
どこにいっちゃったんだろう・・・・。と思ったら、すぐ近くのレースのカーテンに留まっていた。
はああああー。気が抜けた。
とりあえず、こんなときにも写真をパチリ。
撮影の後は窓を開けて、カーテンをゆすったら、「チチチッチ」とか言いながら去って行った。
後で調べたら、ニイニイゼミであった。
おとろしい朝のひとこまであった。。。
ニイニイゼミ セミ科 ニイニイゼミ属 学名: Platypleura kaempferi