パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

どしゃぶりの雨

 

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日本でも、熱帯のスコールのようなどしゃぶりの雨が、しばしば降るようになった。

先週までがうそのように、本当に急に涼しくなって、このまま秋になってくれたらいいなあ、と思う今日。

 

昨日は、家を出ようとしたら、にわか雲行きが怪しくなってきて、いきなり大粒の雨が降り出した。

駅までの3分だから、大丈夫かな?と思いつつ、しっかりとした雨支度をしないで傘一本で出たところ、こんどは駅を降りたときには土砂降りになっていて、水しぶきで景色が真っ白になっている。駅の改札では、少し小止みになるのを待つ人でいっぱいだ。

こちらは時間も迫っていたのでやむなくアトリエに向かったが、着くまでに半身びっしょり、靴もびしょびしょに。

初めはできるだけ濡れないように、水溜りを避けたりと気をつけていたが、そのうち抵抗むなしくなるにつれ、「どうでもいいや」と開き直りの気分になった。 

 

 

昔読んだエッセイに、こんなエピソードが載っていた。

同じ大学で運動部に入っている男子が二人。帰宅途中の駅で急に雨が降り出したとき、一人は「どうせ濡れるのだから」とシャツを脱ぎカバンにしまって雨の中に飛び出し、もう一人はカバンからレインコートを出してしっかりと着て、濡れないように帰った。数年後、シャツを脱いだ学生は商社マンとして世界中を飛び回り、レインコートの彼は銀行に勤めた。

どちらも適切な対応であって、考え方の差が、その後の生き方の違いにもなっていった・・・という内容だった。

 

誰が書いていたのかなあ?ちょっとできすぎだがありえそうな話ではある。

アトリエでスカートを絞り、靴をドライヤーで乾かしながら、そんなことを思い出したのであった。

 

 

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