パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

百日紅(サルスベリ) Crape-myrtle

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横なぐりの雨に傘を短く前にさし、足元を見て歩いていると、濃い赤い花がグレイの濡れた石畳の上に散って、ちょっとモノスゴイようにきれい。




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見上げれば、台風の雨と風に大きく揺れたサルスベリの枝から、まき散らされたものと思われる。
薄暗い空に鮮やかなサルスベリ

髪を振り乱す女の、うち恨みたるが如し。



たまたま川端康成の「千羽鶴」を読み返した後だったので、この花のありようが、登場する太田夫人にも、文子にも、ちか子にも重なるように思うのは、たぶんに「百日紅さるすべり)」という漢字から受ける部分もあるかもしれない。

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いくぶんかは地下鉄の駅の入り口へと吹き寄せられ、それが長いエスカレーターの溝にのって下へ下へと降りていく。

1輪、2輪と運ばれたサルスベリの花は、ステップを降りるところに溜まって、一筋(ひとすじ)の口紅のようだ。鈍(にぶ)い銀色と黄色いラインが、繰り返す波のように押し寄せては紅色の中に吸い込まれる。

はっとする美しさである。


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カサカサとして縮(ちぢ)れた発色のよい花は、長く咲き続けることもあり、どことなく作り物めいて、昔は香りの印象を持たなかったのだが、実際に嗅いでみると甘い香りがする。

盛夏、サルスベリの赤い花は白粉(おしろい)のような、そしてオーランチオール系の香りがする。









 
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