パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

たびたび、梅の香り。新宿御苑

110128紅梅1.jpg

つい梅の香りが気になって、たびたび梅林を訪れてしまう。

 

 

新宿御苑のほとんどの梅はまだ固いつぼみだが、それでも数本が3分咲きくらいになっていた。

ここの梅の木はそんなに高木でもなく、ちょうど背の届くところに咲いている。
そうっとひきよせてかいでみる。

冷たい朝の空気の中で、
胸いっぱいに花の香を吸うと、きれいな女の人の面影が目に浮かぶ。

紅梅は、 少し甘さが強く、スパイシーなオイゲノール(ユゲノール)が感じられる。
白梅の方が、比べると爽やかでグリーン。

110128白梅2.jpg

 

青空の日と、曇り空の下とでも、香りの透明感が違うようにも思える。

 

「梅はバラ科なので、バラの匂いがする」という説明もあると聞いた。

確かに、バラの匂いの主要な成分が、梅の中にも共通して存在するが、やはりバラの匂いとはだいぶ違う。

バラの要素をかくすほどに、梅の特徴である甘さとフルーティ感が強い。

 

直接説明を読んだわけではないので、もっと違ったニュアンスで書かれていたのかもしれない。
香りを人に説明するのはとても難しいことだ。

 

110128白梅1.jpg

梅は、幹もあっての梅。
風雪に耐え、折れ曲がった枝に支えられるからこそ
花は可憐で美しい。

 

 

「桜折る馬鹿、梅折らぬ馬鹿」という。
桜の木は折ると腐りやすく、梅は樹形を整えるために折ってやるのがいい、ということだ。
また、桜の木は古い枝に花が咲き、梅は新しい枝に咲くので、剪定の仕方が違うともいう。

転じて、人によって対応を変えたほうがいい、というような意味にもつながっている。  

 

110128梅の木.jpg  

 

 

Copyright © PARFUM SATORI All Rights Reserved.