パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

蒼穹の昴 浅田次郎

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もう、14年前もになるのかな・・・。藤原伊織さんに勧められた一冊。

 

つい数日前、NHK蒼穹の昴」のTVドラマが始まった。

すでに、デジタル衛星ハイビジョンでは放送されていたそうだ。

本で読んだ時は「チョーすごい!」と思って夢中で読んだので、テレビはきっとがっかりするだろうと思いつつも見てしまった。


小説は長編だが、ドラマではかなり端折ってあるので、「あー、ふんふんなるほどね」という感じで見た。

やっぱり先に本を読むと、自分で想像していた顔形と、配役の違和感は否めないが、別物としてみれば面白いかもしれない。
文句を言いながら、毎週見てしまうかも。

そんなわけで?テレビが終わるとすぐ本棚から持ってきて、ふたたび読み返すことにした。

でも今はあまり時間がなくて、なかなか読み進めない。今日は久しぶりに早めに帰って少し長く読みたいと思っている。

とにかく、泣かせるのがうまい。
最後はいつも、滂沱の涙(ぼうだのなみだ)。
それが、なんか爽快なの~。

背中がかゆい、でもどこがかゆいのかわからないフラストレーション。
同じく、なんとなく泣きたいような気分だが、何に対して泣いたらいいのかわからない苛立ち・・・・。

そんなとき、格好の小説が浅田氏の作品だと思う。
思い切り泣ける。この蒼穹の昴も、涙なくては読めない。
しかし長いので、読み進み、泣くに至るまで時間がかかる。

早く効くヤツ(短編で泣けるもの)もある。

 

一時、この方の小説にはまって、片っぱしから読んだものだ。
ピカレスクはちょっとユーモアがありブラックだし、シリアスな歴史もの、短編集など色々書ける人だ。

(しかし、性格最悪の男(ヤツ)に、天使のような女性が不幸のどん底におとされていく類型は、いくら"感動の最後"のための味付けとしても許せん!そこがヤダ)

 

当時、オジサマ向け雑誌をいろいろ(文春、現代、新潮、などなど)ど読んでいたのだが、「勇気凛凛ルリの色」は、どれだったか忘れたが週刊誌に連載されていて、毎週楽しみに読んでいたものだ。 

このなかでも、頭が大きすぎてヘルメットがかぶれない話とか、自衛隊物はおなかを抱えて笑った。
逆に、何も考えず、嫌なことを忘れて笑いたいときにも、いい薬。

 

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