エレベーターの中に残っていたチュベローズの匂い。
「ああー、フラカだわー、、」と思い、
エレベーターから降りアトリエに戻って、久々にフラカをムエットにつけてみる。
圧倒的なフローラル。
甘く濃く重い、白い肉厚の暑い香り。
ラクトンのミルキーがむわぁっとくる。
オレンジフラワーのメチアンも、オブラートの匂いもする。
少しゴムの匂い。
ハムの匂いがするといった生徒もいたっけ。。。
最近こそニッチ香水ブームで復活したが、以前は手に入りにくく、これは10年ほど前、ニューヨークのアッパーウエストにある「ディスコンでもなんでも手に入る香水店」で入手した。
この日、私は、ゲランの「リウ」を買いに行ったのだけど、その時ブロンドの背の高いきれいな女性が「フラカある?」と扉を開けて入ってきた。
「あるよ、ある」という店員の言葉に、「うわ―、探したのよー、感激!」と言って買っていった。
それを見て、私も一緒に買ったのだけど、やっぱり冬のニューヨーク、金髪の白い肌にとても似合う香りだ。
ムエットを一本、机の上に置いておくだけで、部屋中すべてがチュベローズだ。
記憶に残らずにはいられない、思いっきり「私」を主張する香り。
ムエットには早々にお引き取り願ったが、わずかについた手の匂いもしばらく気になった。
男性は、このテの香水をつけている女性との浮気には気をつけるべき。
(というか、しちゃダメ)
時と場所と相手さえ選べば、この香りはチュベローズ系の香水の中では出色。
日本の夏では辛い。
ROBERT PIGUET
☆ 香水名 フラカ(fracas)
☆ 発売年 1948年
☆ 香調 フローラル
☆ パフューマー ジェルメーヌ・セリエ
☆ ブランド ロベルトピゲ (ROBERT PIGUET)
パルファンサトリ所蔵コレクションより