パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

十火のあられ

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この真ん中の、黄色くてまん丸のあられ?には感動した!
本当に繊細なお菓子なのだ。

 

 

袋を破るときに無造作に開けたら、ふたつほど、ほろほろっと壊れてしまった。

黄色はマンゴーの香り。もう一種類、赤い色のストロベリーもあったのだが、
あまりのおいしさについ手が出て、写真を撮ろうと思った時は一個もなかった。

しいていえば、雛あられの中に入っている大きな丸いあられ、
あれをもっと十倍くらい軽く繊細に焼き上げて、甘さも上品に、
ナチュラルなフルーティーのフレーバーがする瞬間、
口に入れると同時にクスっと溶けてしまう感じ・・・かな。

 

昔、フランスにも一緒に行った元アシのR子ちゃんは
今は上海万博の日本産業館でお仕事しているのだが、
3日間の一時帰国をしている。

これは日本のお菓子だが、今日アトリエに寄ったおり、
手土産に持ってきてくれたもの。
この日のためにわざわざお取り寄せしておいてくれたそうだ。

他のおかきも、それぞれお米から吟味して作られており、
お味付けがあっさりと上品で、どれもすごくおいしい。
目新しい洋風なものだけでなく、オーソドックスなものもあり、
ひとつづつが丁寧にできている。

目に楽しく、カリッとした食感は耳と歯ざわりに、風味は嗅覚に、そして当然味覚にも働きかける。
「食と香り」の記事でも取り上げたように、食の贅沢は五感を刺激する、最高の娯楽だ。

 

南青山、骨董通りの十火(じゅっか)は、昨年暮れにオープンしたおせんべい屋さん。
でも、今までのあられ、おかきのイメージを払しょくするような新しいお味だ。

うーん、中国にいる彼女の方が日本のおしゃれなものをよく知っている。

 

特にパッケージがいい。
白を基調とした外観と黒い内箱。

折り紙をイメージしたのかな、という形や、
中央の赤は、四角の穴あき古銭を思わせる。
和なんだけど、ベタではない、すっきりしたデザイン。

すべての箱がモジュールで計算されており、
厚さ、長さが1:2の大きさで組み合わせられるようにできている。
この、考え方がとても日本的だ。

カタログの紙の手触りもしっとりとしてるし、
全体のコンセプトがとても素晴らしいと思った。

紙好きにはこたえられないなー。
これもまた、紙ものコレクションに取っておこう。

  

 

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