パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

シェイクスピア 十二夜  杉の柩

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「杉の柩」 原題 「Sad Cypress(サッドサイプレス)」 アガサクリスティ・・・。
久しぶりにここずっと、ちびちびとクリスティを読み返している。

扉には、シェイクスピア十二夜」の詩がある。

 

 

来をれ、最期よ、来をるなら、来をれ

杉の柩にうめてくりやれ

耐えよ、此息、絶えるなら、絶えろ

むごいあの児に殺されまする

縫うてたもれよ白かたびらを、

縫い目縫い目に水松(いちい)を挿して

又とあるまい此思い死

 

シェークスピア十二夜」 二幕四場 (坪内逍遥訳)

 

古い推理小説は、今の科学捜査がない時代だから成立したトリックもあるが、欲と愛憎、人間の心理面はいつの時代も普遍的である。

 

もちろん、昨日サイプレスを書いた連想でここへ戻ってきた。

しかし、読書日記は実は短時間では書けない。

じっくり読みなおしたりして、あらすじを軽快に描き、しかも興味を持たせて肝心なラストは秘密、というミラクルなテクニックが必要。

そのうえで、自分独自の感想を述べる。ここでまた言葉をえらび間違えると、趣旨が伝わらず、洞察が浅いと思われる

しっかり書かないとかなり危険なジャンルだと感じる。

「読んだことのない人にはちっとも伝わらない」リスクを冒しながら書く意味はなんだろう。

 

えいや、というわけで、自分自身の中で心に残るシーンと言葉を残すことにした。

ある言葉をひとくくりしたところで、全編読まなければ、そこで出てくるよさを捉えられないかもしれないが、これが私のフィルターを通した美の形だから。

 

つづく。

 

内容は、ちゃんとした書評にお任せしたい。

 

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