パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

クチナシの白い花  ガーデニア

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季節の花が咲くたびに毎度毎度、ああ、もう1年たっちゃった、と思う。

 

 

くちなし、ガーデニアは白い肉厚の花特有の、クリーミィでボリューム感のある香りがする。
日がたつにつれ、茶色に枯れてきて、匂いもアニマリックになっていく。

ジャスミン調の香り。

 

しかし、咲き初めはグリーン感が強く、甘さと爽やかさがある。
この、つぼみが膨らんで開く瞬間がたまらなく好き。

 

顔をうずめたくなる。

 

 

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しかし、匂いを吸おうと近づくと、黒い小さい粉の様な虫がいるから油断できない。

どんなに蕾から摘んできて活けても、開くといつの間にかそこにいたりする。
だからあまり、部屋には持ち込まない。

 

庭に置く花だから、ガーデニア?いえいえ、gardenさんが命名したから。
と記憶している。

 

 

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葉に食べた跡があるときは、裏に必ず青虫がいる。

まだ小さいけど、こいつ悪い子ちゃんで、あっという間に大きくなってもりもり葉を食べてしまうのだ。 
おしりにとげの様な突起が付いている。

大きくなると結構凶暴で、噛みつこうとしたりするんで、つまむのが怖い。

昔、どんな大人になるのか飼ってみたことがある。
いよいよさなぎになろうとする大きさになったとき、ケージの中をハイスピードでぐるぐる歩き回り、
ちっとも繭(まゆ)を作ろうとしない。

まてよ、と思い土を入れたところ、穴を掘り掘りして土中に落ち着いた。

やがて、子供のころエビバチと呼んでいた、スズメガになった。
オオスカシバというらしい。

羽が透明で、おなかが太く、黄緑と園児の縞模様の毛が生えていて、
尻尾がエビのように開いている。

 

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美しい花には、ワルイ虫がつくものだ

 

 

 

 

▶ 花事典  クチナシ :アカネ科 クチナシ属  学名:gardenia jasminoides ellis  

 

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