パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

クチナシの黄色い実 ガーデニア Gardenia jasminoides Ellis

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これはまた立派なクチナシの実、オレンジ色。
 
クチナシの実からは染料がとれる。
繊維を染めるだけでなく、食品にも使う天然の着色料。
 
昔々、お正月のきんとんを黄色に染めるのに母が使っていたのをあいまいに記憶している。
私はやったことはないけれども。。。
 
子供の頃は、食と季節感や歳時記を、キッチン(昔は台所と言ったものだ)で自然と学んだものである。
世の中の「おかあさん」が普通にやってきた教育ってたいしたものだと思う。
 
日本の心を育んだのは、「おかあさん」でしょう。
 
 
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漢方にも使う。日本薬局方にも収録されている生薬である。
 
 
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6月に咲く、白い一重のクチナシ(梔子)の花。
小ぶりで清楚だが、立派な実をつける。
 
花の中心にぐったりと横たわる六本の線は、役目を終えた雄しべ。

 
 
 
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八重は華やかでゆったりと美しい。
ガーデニアと呼んだほうが似合う、洋風な花のイメージだ。

けれど、雄しべは花びらに変化してしまったのだろうか、はたまた園芸品種の故(ゆえ)なのか、結実はしない。
 
 
香りを学び初めた頃は、ガーデニアの匂いって、ジャスミンにオブラートの匂いを混ぜたような香りだと覚えた。
 
いまどきオブラートの匂いなんてわかるかなあ。
 
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