パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

パフューム・ソープ

 

 

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 パフューム・ソープ

 

最近ではボディーソープに押されて居場所が少なくなっているが、やっぱり石鹸の良さは捨てがたい。新しいソープの紙包みをあけるときの気分は最高だ。

 

 

あんまり書けないことも多いから、ブログでは毎日遊んだり、食べたりしてばかりいるようだが、一応、ちゃんと仕事もしている。


今回の目的の一部には、新しい商品の製造、オーダーもある。秋に発売予定の、パフュームソープだ。

パルファンサトリ・コレクションの中のひとつと、同じ香りで作る。去年来た時からスタートし、打ち合わせとトライアルを重ねた。最終段階としてこの2週間で配合を変えていくつか作り直し、ようやく完成形まできた。

あとはもう一度、日本へ持ち帰って、日本の水で使ってみて、何番目にするか決定する。

 

香水と石鹸では、使ったとき同じ香りにしなければならないが、香料の処方は違う。ソープ素地はアルカリなので、そのあたりを考慮して書き直す。トップのインパクト、シトラスなども強化しないと同じようには匂ってこない。

 

また、石鹸はお湯で洗い流すなどの違いもあるし、作った後は、温度を変え、条件を変えて、ソープの色や匂いなどの経時変化を3か月ほどみる。

あ、色、形はこれではない。香り立ち、色合い、泡立ち、使い心地などを見るための、これらはサンプルや試作品だ。

 

 

ボディーソープはやっぱり手軽だし、扱いやすい。でも、ぬるぬるした感じが残る、とか、さっぱりしないという男性の声もよく聞く。

ドライな気候の、ヨーロッパなら、この粘つく感じが気にならないのだと思う。

でも、日本は湿度の高い国。オイリーな人には、やっぱり石鹸が向いている。それに、新しい石鹸の包み紙をあける気分はやっぱりウキウキとしてしまう。

 

素材にはわがままを言って、すごく贅沢をした。

それに、入浴シーンでの、香りは精神衛生上とても大切。無香料のものだと、なんだか「もくもくと作業する」ような感じでリラックスもリフレッシュもできない。

来週からは、世界調香師会議もはじまり、お客様も来られるので、カンヌにいるほうが多くなる。

ちょっと会社に寄ることはあっても、グラースでのまとまった作業は今日で終わり。

 

 

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いつも部屋を出るのは私が一番最後だ。
(車に乗せてもらうので、社長が帰るまで、私も帰れないから)

今年いっぱい予定が入っているので、しばらくはこんなに長く、ここへ来ることはできない。


ラボを後にする時、少しさみしかった。

 

 

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