パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

匂い袋 初釜にて

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遠州さんに続いて昨日の裏千家御家元の初釜でいただいたおみやげも匂い袋だった。

 

箱を開けるまえからほんのり香りがしている。

ポプリの入ったサッシェ(これも匂袋)や洋の香水には無い香調で、着物を着た女性のような和を感じさせる。どこか懐かしく、落ち着く香り。

やはり、こういう嗜好が自分の中に潜んでいて、作品によって知らず出てくるようだ。私の「さくら」や「夜の梅」は、しばしば「お香のようなかおりがしますね」と言われる。

 

この匂い袋は、鼻を近づけて嗅ぐとスパイシーでウッディ感が強いが、離れたところに漂ってくるともう少し甘くパウダリーになる。

お香は、共通の匂いはあるが、組み合わせと配合割合によってその幅がある。その点は香水の調香とも近いところがあるが、比べると素材数は限られている。昔のものはクローブ(丁子)やサンダル(白檀)、ベンゾイン(安息香)、シナモン(肉桂)、香木などなど、天然の樹木やスパイス類から作られている。(お香についてはまた別に書きたいと思う。)

 

また、組み紐の飾りと布の色の取り合わせが可愛い。

こういうのを見ると、自分でも作ってみたくなる。そうして集めた、きれいな端切れやらリボンやら紐やらが箱の中にどんどんたまっていってしまう。ときどき、ふたを開けて眺めてはあれこれ選んでいるうちに満足して、またしまう。そんな箱がいくつもあって、なかなか捨てられないものだ。

 

この匂い袋の布地も珍しいもののようだ。写真の匂い袋とともに説明書きが入っていたのでここに記載させていただく。京都の薫玉堂さんのお品物だ。

「麹塵染(きくじんそめ)」

光線の違いにより微妙に色彩が緑色から赤色系に変化するのが特徴の染色技法。麹塵はかつて天皇をはじめ高貴な人のみ用いることを許されていた禁色でした。それはまた水を通して光を浴び美しくうろこを輝かせる魚の姿に似ており魚綾(ぎょりょう)とも呼ばれていました。

 

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