「蒼い時」と言う名の香水。1912年。
ルール・ブルーは香水界の印象派である。
1滴のしずくを手首にたらす。甘く、粉っぽい菫色はパリの長い夕暮れ。
セーヌにかかる橋の真ん中で欄干にもたれ、来ては去る流れをいつまでも眺めている。
ずっとずっと、蒼い光の中に漂っていられそうだ。
はじめ、ほわっとした柔らかい香り。ちょっぴり、昔の匂い消しゴムの様な、懐かしさがある。
トップのアニスノートは濃くなると匂いが茶色っぽくなってくるものだが、ここでは軽いアクセントになっている。
しかし、時間がたつにつれてオリエンタル調のレジン、バルサムの重い香りへと変化する。
夜がやってきた。これは、やはりフランスの香水。
バニラはかなりたくさん感じられる。トップのフワフワ感から、ラストの甘さまでずうっと、続いている。
☆ 香水名 ルール・ブルー(L'HEURE BLEUE)
☆ 発売年 1912
☆ 香調 トップノート ベルガモット・アニス
ラストノート バニラ・イリス
☆ パフューマー ジャック・ゲラン(Jacques Guerlain)
☆ ブランド ゲラン (Guerlain)