香水とオードトワレの違い
Q. 香水とオードトワレなどは、濃度が違うだけなのですか?
香水を薄めればオードトワレになるのでしょうか?
A. 処方そのものが違います。
一般的な市販品についていえば、同じ香りラインの香水(パルファン)は、高価な天然香料などをたくさん使い、贅沢に作られています。
昔は、調香師はまず香水の処方を書きました。その後、オー・ド・トワレやオー・デ・コロンのために、処方の中の天然香料を安価な香料に置き換えて、コストを下げた処方に直します。
また、トワレやコロンのように、賦香率が低くなると(香料の濃度が下がると)トップノートのインパクトが弱くなりますので、少しトップノートの割合を増やすこともあります。最終的な濃度に合わせて、もっとも美しく感じるように処方のバランスを整えます。
同じ香水とオードトワレは、初めの嗅ぎ口はどれも似たような香りに感じても、肌へのつけ心地感は、やはり香水のほうがよくできています。
香水は強い、きついと思われがちですが、量を控えめにして点で(ポイントで)つければけっして強すぎることはなく、むしろ上品に纏うことができます。香料の素材感、それはつけたてよりも、時間の経過とともに差がはっきりとしてくるでしょう。
たとえば、ぱっと見は似たような白いシャツでも、化繊、正絹、といった生地の品質によって、肌触り、体に沿うラインの美しさなど、いいものがわかる人にはその価値を感じることができるように。