パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

PHOTO-GRAPHERS FILE 2010

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フォトグラファー、高崎勉さんの写真には、特別な空気が流れている。

ある日、たまたま手にしたあるジュエリーブランドのカタログ。そこに写っていたのは、それまで見てきた宝飾写真とは違う印象のものだった。

私はその写真に少し感傷的な物語を感じ、「紙系お宝箱」の中にしまったのだった。その写真を撮ったのが高崎さんだと知ったのは、ずっとずっと後のことだ。

 

昨年4月に、パルファンサトリ・ホームページ・リニューアルを計画した時、その正方形の小さい冊子のことを思い出した。何度も眺めたりして、HPのためのいろいろな素材と一緒に、それは「今動いているお仕事ファイル」の中に引っ越した。

 

ちょうどそのころ、「PROGRAM(プログラム)」というブラックカード会員のための雑誌取材があり、アトリエの撮影にいらしたのが高崎さんだった。広告写真でも有名な方だと紹介された。

彼はオルガン台やアンティークの香水瓶などいくつかのカットを撮り、茶壷香水をスタジオへ持って帰られた。

 

6月に出来上がった雑誌、プログラムを見て、「こんなに素敵にとってもらえるなんて!」と私はとても嬉しかった。以前、他の方が撮った重厚な茶壷香水もよかったけれど、この、すがすがしい透明感のある茶壷の写真はとても新鮮だった。

彼のウェブサイトも見た。private works、繊細な色と光に魅入られてしまった。しかしまったく迂闊なのだが、その段階でもまだ、彼とジュエリーの写真とは私の中で結びついていない。

 

途中フランスに行ってたりして、HP制作はゆっくりと進んでいた。おおよそ構造やレイアウト、文章なども決まってきて、あとは写真をどうするかという段階になった。一番大事な部分がまだ決まっていなかったのだ。

高崎さんは受けてくれるだろうか?と心配だったのだが、どうしても彼にメインのページを飾ってもらいたくてお願いしたら、忙しいにもかかわらず快く引き受けてくださった。

トップの茶壷香水と、「コレクション」など、大きなイメージショットは彼のお仕事だ。ボトルの底を並べた「PARFUM SATORIについて」は、かなり気に入っている。「FOR HIM」もかっこいい。

 

11月、無事アップして達成感とともにHPを眺めているその時、「そういえば・・・」と、彼を紹介してくれた人の話に、そのジュエリーブランドのキャリアがあったのを思い出した。『もしかしてこの写真、彼のじゃないかしら・・・』

確かめようと思いつつ、ずいぶん時間が経ってしまったのだが、今日、ご本人にそのジュエリーのカタログを見てもらったところ、確かにそうだということが判明し、あらためて感動。

はじめに「願い」があって、「出逢い」があった。人と人は見えない縁でつながっているものだ、と思う。

 

結局、作品とか成果物というものは「人となり」が出てくるのだ。また、そうでなくては人の心を動かすようなものにならない。

  

▶ 高崎勉さんのweb site → Photograper Tsutomu Takasaki http://www.t-tak.jp/

 

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↑ PHOTO-GRAPHERS FILE 2010 (玄光社

プロフェッショナル・フォトグラファーの仕事/作品集

※記事一枚目の写真は、玄光社「PHOTO-GRAPHERS FILE 2010」に見開きで掲載された、高崎氏撮影の写真。作品(左ページ)と、雑誌プログラムに掲載された茶壷香水の写真(右ページ)

 

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