パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

内藤とうがらし Naito-chile pepper

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これはただのトウガラシではない、内藤唐辛子というのだそうだ。
つやっとしてとてもきれい。
 
新宿御苑には、当時からある玉藻池(たまもいけ)という日本庭園など見所があるが、まさか唐辛子にまで内藤家の名前がついているとは思わなかった。
 
この一帯と新宿御苑は、江戸時代には遠藩主・内藤家の下屋敷(しもやしき)だったところ。
 
甲州街道沿いのこのあたりの地名は、いまでこそ新宿1丁目とかになっているが、以前は内藤新宿と呼ばれていた。
 
 
トウガラシは16世紀にポルトガルから渡来してから、ここ内藤家の敷地でも盛んに栽培され、全国に広まったそうである。
 
一度は内藤唐辛子という品種は途絶えたのだが、復活のため研究栽培が試みられているようだ。
 
 
下は1月末、ひと月がたち、すっかり干からびてしまったトウガラシ。
 
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私はトウガラシ全般を「鷹の爪(たかのつめ)」と言うのだと思っていたが、これは品種の名前らしい。
 
昔はホカロンなどなかったので、冬は乾燥した鷹の爪(トウガラシ)を真綿(まわた)に巻いて、腰に入れてもらったりした。
学校に行くとき、つま先が冷たくなるので、靴に入れたこともある。
 
今は何事も便利になったものである。
 
 
 
 
 
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