パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ミモザとアカシアの違い  Mimosa  Acacia

ミモザとアカシアの違い

ミモザとアカシアの違い

ええっ?ミモザとアカシアって同じじゃないの?どう違うのかな?

 

今日はアトリエに飾る花を買いに、いつものお花屋さんへ。いつもあれこれ話しながら花を選ぶ。そこで、すぐ近くの代々木線路沿いのミモザの話になった。

 

「もう咲いてるんですねー、花時はもっと遅い印象だったけど」(私)
ミモザは結構寒い時期から咲きますよ。あそこにはミモザもアカシアも両方あるけど」(草の実さん)

「え!ミモザとアカシアって違うんですか?」

 

ということで、二つの違いをよくよく聞いてみると、ミモザの葉は、合歓の木のようにふさふさと柔らかい感じで、アカシアはもっと固いしっかりした葉だと言う。花はよく似ているそうだ。

 

「以前はずっとミモザの並木になってましたよね。枯れちゃったんですね」
「あそこは風が強いから、難しいんでしょう。でもまだ、結構残ってますよ」

 

ミモザとアカシアの違い

 ↑ミモザフサアカシア

 

そこで、買った花を抱えて確認しに行ってみた。今回は、代々木方面から高島屋方面へと歩く。いつも、アトリエのある明治通りの方を通ってしまうので、あまりこの線路沿いは来ない。たまに歩いても、ミモザの花時は短く、また背が高すぎて気がつかなかった。

 

なじみの黄色い丸い花が咲いているのが遠目で見える。満開の木もあれば、全く咲いていない木も。

近寄ってみると、ううむ。確かに、羽毛のように葉がふわーっとしているのと、葉が短くてかっちりしているのと両方ある。しかも、気がつかなかったけど、紀伊国屋書店の横の公園には10本以上あるみたい。

本来は、オジギソウ(Acacia decurrense )をミモザというらしい。そしてミモザの木(Mimosa tree)といったら、ピンクの花のネムの木を指すそうだ。

でも、それじゃ「ミモザサラダ」も、シャンパンのカクテルの「ミモザ」も、黄色じゃなくなってしまう。

 

ミモザとアカシアの違い

↑通称ミモザ

 

上は通称の「ミモザ」の葉。フランスでミモザというと、これ。正式名称は、房アカシア(Acacia decurrense)という。

ふわっと柔らかい葉の感じはネムの木に確かに似ている。だから、ミモザアカシアと言う名がついて、いつのまにかアカシアが取れて、ミモザと呼ばれるようになったらしい。

やはり黄色い丸い花が咲くが、背が高すぎて、香りを嗅ぐことができない。

 

 ミモザとアカシアの違い

↑こっちは、銀葉アカシア(Acacia baileyana)

 

こっちは短くて固い。黄色い花はフサアカシアより少し大きめ。

この花に匂いはあまりない。この前かいだ、高島屋前に咲いていたのはこちらの銀葉アカシアだったから、香りが薄かったのだ。高木のミモザ(房アカシア)に比べて、木は小さくても咲くので、日本ではこの品種が定着した。

知ってるつもりで知らないものだ。いろいろ調べて、ひとつ、賢くなった。

 

ややこしいことに、エニシダという黄色い蝶々の様な花も、ニセアカシアというので、なんだかこんがらがってしまう。(※のちにハリエンジュのことをニセアカシアということがわかった)
香料の世界では、エニシダはジュネという。アニマリックな香りだ。

 

花の名前は、通称によって誤解がよく生まれる。そのために、学名がある。学名は一対一対応なので、間違えることがない。   

まとめ

▶ 植物事典 ミモザ マメ科   オジギソウ属      学名: Acacia decurrense
▶ 植物事典 フサアカシア ネムノキ科(マメ科)  アカシア属    学名:Acacia dealbata
▶ 植物事典 ギンヨウアカシア ネムノキ科(マメ科) アカシア属 学名:Acacia baileyana
 

 

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