パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

朴(ホオ)の木の花 Magnolia obovata thunb

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大きな朴の木(ホオノキ)の花。
花の王様である。
 
毎年ゴールデンウィークあたりに決まって満開になる。
 
 
1~2輪咲いているだけで、甘くフルーティな香りが漂ってくる。
満開の時期には、20センチもある巨大な花が、一つの樹に100輪は咲くのではないか。
圧倒的なボリュームのある花と香り。
 
 
キンモクセイジンチョウゲの香りに比べて「ホオノキ」の花の香りが知られていないのは、やはり植栽数が少ないのだろうと思う。
 
なんといっても樹高が大きくなる。
10メートル以上...3階建ての家の屋根くらい?にはなるんじゃないかな。
 
 
一般家庭の庭に植えるのは難しい。
木陰が家を覆ってしまうし、その巨大な落ち葉の掃除も大変だ。
 
だから、公園とか学校の校庭くらいでしか見れない。
 
 
 
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私にとって、どの花もみんな蕊(しべ)が美しく、魅惑されてしまうのであるが、
 
とりわけ、朴の木の花の蕊は、それ自体が何かの意思を持っているように感じられる。
じいっと見つめていると、神秘の渦に巻き込まれていくような、心の昂(たか)ぶりがある。
 
 
 
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朴の木の葉も素晴らしく大きくて、これは30センチはあるだろう。
 
まだやわらかな葉はシルクの手触りがする。
 
昔から、味噌を包んで焼いたり、皿として使ったりする。
 
 
 
 
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