パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ノビヤカ-NOBIYAKA- ビワ

ビワの実の香り

ノビヤカ-NOBIYAKA- のトップノート ビワ

 

新作フレグランスノビヤカのトップノートには、ビワのフルーティを合わせました。

一年中出回っている果物が多い中、ビワは時期が短くて季節感がありますね。

お皿に乗せてテーブルの上に出されると、子供心にとても嬉しかったことを思い出します。

 

洗ったばかりのビワの、黄色い、薄いビロードのような表面にはしずくが残って涼し気。尖った先の方からするすると皮をむいてかぶりつくと、果汁が滴り、口の中にはほの甘い、特有の香りが広がります。

 

オランダ東インド会社の染付皿に乗った枇杷の黄色い実

 

ビワの実の香り

ビワの実の香りは、瑞々しいフルーティグリーンで、アニスっぽいカントキサールの香気がします。

それはビワの成分に含まれているというよりも、香料のトレーニングをしているときに、「カントキサールは枇杷のにおいがする」と思って以来、「いつかビワの香りを作ろう」と暖めていた香料です。

 

 

 

新宿御苑にあった、豊作の枇杷の大木

バラ科 ナシ亜科 ビワ属 学名 Eriobotrya japonica

 

香水を作る時は、最後にトップノートを決めることが多いです。

ノビヤカを途中まで作りながら、何を合わせようかと考えて、候補を挙げては落とし、最終的にビワの香りにしました。

出来てみると、ビワの持つ特別な、夏の予感のする香りは、これ以上ないというくらいイメージにぴったりのトップノートになりました。

 

枇杷 バラ科 ナシ亜科  ビワ属 学名 eriobotrya japonica 英名 loquat

 

 

 

新作フレグランス ノビヤカ

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