ノビヤカ-NOBIYAKA- トップノート
のびやかのトップノートには、ビワのみずみずしさに、リキュールの甘さを加えたいと思いました。
最初に浮かんだのはミラベル酒です。
南仏でディナーに招かれた時、食後に「梅酒が飲みたい」と言ったら、ミラベル酒を出してくれました。コロナ流行前の楽しい思い出です。
ミラベルは、フランスのロレーヌ地方で採れるプラムで、梅に似た小さな黄色い実です。
そのうち、「国産のサフランに合わせるなら、日本のリキュールの方がいいかな」と考え直しました。
「そういえばダバナオイルを嗅いだ時に、黒糖梅酒の印象を受けた」ことに行き当たります。
―『梅酒も好きですね。食事の後に甘いものを食べる代わりに、梅酒に氷を入れてちょとずつ飲むと、フワフワと楽しい気分になるんです。 梅酒は透明感もありますし、ビワ、アーモンド、スモモ、モモなんかと合いそうだな。ダバナを入れるとトップがね、パッと華やかになるんです。』
とかなんとか、ひとり小芝居などしながら処方を書きました。
梅とプラム
このジャパニーズプラムとも呼ばれる梅。
ミラベルと梅のついでに、知っているようでしらないプラムとプルーンの違いも調べてみました。
プラム(スモモ)類は、ニホンスモモ(プラム)、ヨーロッパスモモ(プルーン)、アメリカスモモの3つに分類され、スモモの仲間は1000種類以上もあるのだとか。
プラムはオレンジ色、プルーンは紫の実です。
南仏のカントリーハウスを訪れたときも、様々な種類のプラムが実っていました。春から夏まで、次々と花が香る果樹園は天国のように美しいことでしょう。
これらの果樹の花の香りは、共通してあまずっぱいフルーティフローラルを持ち、アニス・杏仁(あんにん)調の特徴があります。
梅は万葉集でも多く歌われ、古来から愛されてきました。
いまでは梅は、MUMEともよばれ、日本語がそのまま海外で通用する名前となっているそうです。