パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

パリ香水美術館 LE GRAND MUSÉE DU PARFUM Paris 4

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ここはパリ香水美術館(LE GRAND MUSÉE DU PARFUM)の一室。
 
たくさんの金属球が天井から下がり、規則的に並べられている。まるで空間全体を作品とするかのような表現手法である。
この金属の球を回してチャンネルを合わせ耳に当てると、それぞれの言語、10か国語で香りの解説を聞くことができる。
そして同時に香ってくるのである。
 
 
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テクノロジーが素晴らしいのはもちろんであるが、やはり圧倒的なデザイン力、構成力に痺れる。。
この真っ白い部屋全体に広がる香りのリズムは、嗅覚以外の感覚...視覚、触覚、聴覚を駆使して訴えかけてくる。
 
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場所はフォーブル・サントノレ。ホテルブリストルの正面で、エリゼ宮も近い。
観光地ではなく、ひっそりと格のある場所にたつこの香水美術館は、歴史ある建物の中とモダンな館内の対比が素晴らしい。
 
窓からは初夏の緑の庭が、まるで額縁で切り取られた絵のよう。
 
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香水にとって、天然香料と等しく重要なケミカル素材をきちんと説明し、世の中の一部にある誤解を払拭。大切なことだと思う。
 
 
 
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ここは香りの庭(Jardin des Senteurs)と呼ばれる部屋で、この白いラッパ状のオブジェは草花を表しているそう。
 
前に立つとあかりが灯り、香りを放つ。
 
正直、来る前にネットでこの展示写真を見たときは、奇をてらっているようであまり感心しないと思っていたのだが、美術館全体を通してこの部屋に来ると意味がわかり、この美しさに評価を改めざるをえない。
 
 
 
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圧巻は光と音のインスタレーション
 
真っ暗い部屋の中には光のオルガンが。内容を話せば興(きょう)をそがれてしまうと思うので、実際に行かれるときのためにここでは明かさない。
 
 
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このパリの香水美術館は、グラースにある国際香水博物館(MIP)に比べて小さいし、アンティークな香水のコレクションも少ないけれど、既存の香水展示の概念をはるかに超えている。
 
香水を並べて香水を説明するのではなく、ここでは美術館そのものが、香水という洗練されたアートを表現している。
 
ほかのジャンルからの視点がきっと盛り込まれているのだと思う。発展とは常にそういうものだから。
 
 
 
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白亜の、洗練の館にて。5月のパリは素敵すぎる。
 
 
 
 
 
 
 

 

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