パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

大輪ジャスミン ヤスミヌムレクス Jasminum rex

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珍しい、大きなジャスミンの花。
新宿御苑の温室、出口近くの通路に、白い蔓性の植物が咲いている。

つぼみや葉はどうみてもジャスミンだが、普通のジャスミンに比べて大きく、しかも花びらが8枚もある。
普通のジャスミンは5枚花だ。

 

はじめ遠目に見て、なんだろう?と思った。
近づいて周りをぐるぐる回って眺めてみる。
このピンク色の蕾とか、絶対ジャスミンの仲間っぽいのだけどなあ・・・。

しかしジャスミンを思わせる匂いはない。

 

 

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翌日また温室に見に行ったら、下の方に名札がついていた。
Jasminum rex(ヤスミヌムレクス)モクセイ科のジャスミンの仲間とわかった。

 

もともとあったのに名札に気がつかなかったのか、日々更新され増えていくのか、前回不明だった植物もだんだんわかってくる。

 

 

「Rex」というのはラテン語で「王」という意味なので、英名で「Royal Jasmin」 とも訳されるそうなのだが、日本で「香り高いロイヤルジャスミン」として売られているのは、ミカン科の木立ち性の植物で、まったく別種のようだ。
ミカン科の花はおおむねいい匂いがする。

園芸の流通名はかなりいい加減なので、学名や、科名はとても大事である。

 

 

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本来、香料用のジャスミンはとても香りがいいのだが、このヤスミナムレクスは感じられない。
どうみてもいかにも匂いそうな感じなので、何か間違いかと思って、翌日も確かめてみたりしたがやはりこれといったはっきりした匂いがない。

大きくて立派なのに残念だ。

ジャスミン・レックスは本来は夏の植物。温度が合えば一年中咲くという。
季節とか日照の関係もあるのかもしれないので、日を改めてまた香りをみてみたいと思う。

 

 

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純白の大きな花はボリューム感があって、みっしりと咲くさまは観賞用には素晴らしい。

 

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