パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ニオイサンタンカ(匂山丹花)Ixora odorata

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キンモクセイも終わってしまったし、何となく寂しい気分であったが、気持ちいい風の吹くなか、ぐるっと新宿御苑をまわってから温室へ行って見た。
 
温室には夏の間はあまり行くことがなかったので、久しぶりに少し変わったものがみれるだろうか。
そんな風に思っていってみると、黄色い花火のような花がこんもりと咲いている。
 
 
これはニオイサンタンカというんだって。
初めてみるけど、いかにも南国の花のようだ。
 
「ニオイ」という名がついているから、いい香りだろうと思って顔を近づけると、甘くクリーミーで濃厚な中に少しグリーン感のあるホワイトフローラル調の香り。
 
プルメリアとかシャンパカとか、熱帯の花に共通のコクがある。
マダガスカルが原産で、日本では沖縄や石垣島でみれるそうだ。
 
サンタンカの花びらは4枚だけど、プロペラのようにねじれた開き方が、五弁のコーヒーの木の花に似ている。

サンタンカもコーヒーノキも、どちらもアカネ科の植物。
 
 
 
夏に咲くテイカカズラの花も、ねじれたはなびらで、ジャスミン調のホワイトフローラルな香りだから、ちょっと連想する。
こちらはキョウチクトウ科だから植物としては遠いけれども。
 
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「温室は冬に行くもの」なんて思っていたけれど、よく考えたら、夏は外より温室の方が涼しいかもしれないな。
 
来年の夏は温室に行ってみよう。
 
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