大八重くちなしの香り
6月の蒸れた空気の中に、クチナシの香りの特徴である甘いクリーミーなラクトンが匂ってきました。
まだほの明るいアトリエからの帰り道、ビルの植え込みに大八重梔子(おおやえくちなし)の白い花が浮かんでいます。
この香りは夏の訪れ。夏至が近い寂しさを予感させます。
豊かなジャスミン調にグリーンが合わさっているのですが、奥にはほのかに、ブラックペッパーオイルのような爽やかなスパイシーも感じられます。
中心の渦巻く姿はバラのようにも見えますが、はなびらは肉厚。
ビロードの純白の花は、あっというまに茶色く朽ちて、梅雨が明ければ猛暑です。