パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

煙草の香り-3 シガリロ

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タバックタイプの「煙草の香り」は煙の臭いと思われがちだが、まだ火をつける前の葉っぱの匂いだ。

 

煙草から抽出した天然香料もあるし、調合によってそれを再現することもできる。ディスクリプションすると、レザー、アニマル、ウッディ、スモーキー、わずかなハニーと生臭いグリーン。

昨日、今日とキャロンのタバブロン(1919)を載せた。

 

 
タッセルの色と黄金のラベル、ボトルデザインなど全体がとてもよく調和している。ラベルにはタバコの花が描かれていて、ケースは煙草入れを見立てている。
匂いは上で言ったように強いスモーキーレザーにアニマリックが効いているが、天然物からくる甘さと粉っぽさがそこをやわらげていて悪くない。(最近出されているものは評判が良くないようだが。)
今ならこの香水はメンズど真ん中だけれど、発売当初はタバコを吸う女性へのオマージュだったそうだ。それを聞くだけで、タイトな女性が煙草を手に思いに耽る、セピア色の光景が目の前に浮かぶ。
 
  
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あと2本はメジャーな香水ではない。「シガリロ」は匂いがシトラスに振れていて、さわやか。苦いタバックの香りと相性がいい。「シガール」はもう少しタバックの甘みが強く渋さがある。
それより面白いと思うのはこの葉巻を束ねたボトル。よくやるよなーと感心する。
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