パリの夏は夜9時半ころまで明るくて、少しづつ少しづつ青みを帯びていく。インクを流したような紺色から、完全に真っ暗になるまでのあいまいな時間。昔は街角にガス灯が灯ったに違いない。
そんなパリの宵は、優しいトーンの香りがふさわしい。
ローズ・ジャスミンのフローラルアコードに、バイオレット、イリスのパウダリーが印象派の絵画のような効果を出している。
<Soir de Paris Bourjois/1929>
「ソワールドパリ」パリの宵という名の香水。1929年。この香水の調香師、エルネスト・ボーは、1921年シャネルの5番で成功した。
※写真はすべて所贓品です。
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