小さな雑草の花が咲いている。
ホトケノザ、ホシノヒトミ、ささやかな花に癒される。
梅、桜、椿。
木の花は豊かで、華やいで堂々としており、目を奪われる。
でもふと気づけば、枯葉で覆われた固い土の間からは、柔らかい緑が萌えだしている。
そして、野の花たちが先駆けて春を告げる。
青い小さいこの花の姿は、きっと誰でも知っている。
小学校の時から、大好きだったオオイヌノフグリ。
でも、種子の形が犬のふぐりのようだからなんて、ひどすぎる。
名前の由来を聞いてから、もうひとつの名前、ホシノヒトミを使うようになった。
かがみこんで、指の先でそっとふれてみる。
ふんわり、ひなたの土のにおいが した。