このお茶碗は浅く口が広いので、本来は夏用の茶碗だ。
冬だと早く冷めてしまう。
楽とか井戸とか、奥の箱から出すこともできるのだが、お店にはそんなにお茶道具をたくさん置いておけない。
そこで昨日の記事で載せた青海波の柄と、この茶碗の二つを「立て出し」で、かわるがわる数人で使う。
でも、慣れない人でもお茶を立てやすいし、きれいな緑の釉薬で気に入っている。
有田の徳幸窯、徳永栄次郎さんの作品。
とにかく、お茶碗に抹茶を入れて適温適量のお湯を入れて、
泡だてて飲む、ということなのだが・・・。。
自分で意識せずにやっていることと、人に伝えることは、あたりまえだけど違う。
茶碗を温めたり、茶筅を濡らしたり、「ちょっとした手順一つづつに意味がある」ということを、教えることによってまた再確認する。
本当にお茶って合理的で洗練されているなあと感心する。
そして奥がとっても深いし、でも浅いところでも充分に楽しめる。
なんの世界でも共通なのだろうけれど。
「面白い~☆」とL子ちゃん。
そんなわけで?L子ちゃんはお抹茶を飲むだけでなく、お茶をたてるのもやってみた。
初日は泡がうまく立たなかったり、茶筅の振り方がぎこちなかったけど、数日で見違えるようにきれいでおいしいお茶が立てられるようになった。
泡と共にひろがる爽やかなみどりの香り。
甘みがあってさっぱりした苦味は頭をはっきりさせてくれる。
ビタミンもたっぷり。
朝の一服、80を過ぎて健康な母のようにできるだけ続けたいものだ。