パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

「星の王子様」と藤原伊織さん 3

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前々回、伊織さんの小説について書いたが、なぜ「ダックスフントのワープ」なのかつながりはまだ触れていなかった。それは連想。

 

そもそも5月6日に載せた「なぜバラは棘(とげ)で刺す?」の記事に対して、
「星の王子様に出てくるバラの花を思い出しました。4個の棘で身を守るバラの花。」
というコメントを頂いたのが始まりだ。

懐かしくて再び「星の王子様(プチ・プランス)」を読み返してみた。小学生でも読んだし、高校生でも読んだ。成人しても読んだのではないかな。そのときどきで、見える光景が違ったと思う。よく知られているように、これはリアリティのある大人向けの本だ。

大人になってフランス語の勉強のために洋書を何回か買ったこともあったが、いつもちゃんと読む前に、友達の出産祝いとかで人にあげてしまった。印象に残る部分、バオバブは怖い木だとか、火山が3つとか、まだらに覚えていたが、『ああ、こんな話だったっけ。。。』

その時にふと、やはり昔読んだ、「ダックスフントのワープ」を思い出した。両者が似ているとか、共通点があるとかの理屈ではなくて、ただ、思い浮かべたのだった。

ブログを書き始めて日付をみてびっくりした。彼の亡くなった日が間近だったから。 

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ここ「星の王子様」にはとびきりの言葉がちりばめられている。説明はしない。ぜひ読んで、本の中から探してほしい。あなたにとって素敵な言葉を。

 

 


「なぜ花があんなに苦労して、なんの役にもたたない棘を作ろうとしているのかを理解しようとすることが大事じゃないっていうのかい?」

「もしきみが、ある星に咲いている一本の花が好きになったら、夜、空を見上げるのは楽しいものだよ。星がぜんぶ花のように咲きほこるんだから。」

「お前がバラのために時間を費やしたから、お前のバラはとても大切なものになったんだ。」

そして、

「砂漠が美しいのは、どこかに、隠れた井戸があるからだよ・・・」
(Ce qui embelleit le desert,c'est qu'il cache un puits querque part)

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ著 川上勉 甘樂美登利 訳 グラフ社

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