パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

星の王子さまとバオバブモドキ②, la petit prince

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星の王子さま(la petit prince)」は、たぶん、みんな小さい頃に一度は読んで、そして忘れてしまっただろう物語。
 
砂漠の真ん中に不時着したパイロットと王子さまの出会いは「ねえ、羊の絵を描いてくれない?」で始まる。パイロットの書いた羊は、箱の中に入っている。
 
「遭難」という非日常の中で、二人の不思議な日々が過ぎていく。
 
 
 
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そしてこの物語の前半のワンシーンを読むと、私は今でも胸がキュンとなってしまう。
 
五日目、王子は「自分の星に残してきた愛するバラが羊に食べられてしまうのではないか」とひどく心配し、パイロットに何度も話しかける。
 
「バラの棘は何の役に立つの?」
 
エンジンの修理に必死のパイロットはいらついて、「今、大事なことにかかりきりなんだから!」と、おざなりな返事しかしない。王子は憤慨(ふんがい)し、怒り、ついに泣き出してしまう。
 
 
 
ー満天の星の中に、たったひとつの自分の愛する花が咲いている星があって、そのバラを羊が食べてしまったら、すべての星の光が失われてしまうことでしょ。どうしてそれが重大なことじゃないの?ー
 
 
そして王子の星のバラの話へと続く。
 
 
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たくさんの美しい言葉がちりばめられたお話。
 
「もの」の背後にある、目に見えないものが大切なんだというテーマが、王子の旅のエピソードを通じて繰り返される。
 
 
 
ハウツー(How  to)本は二度開く気にはなれないけれど、児童書は、子供のときと、大人になってから読むのとでは味わいが違う。
 
内側に、確実に豊かな世界を作ってくれると思う。また、あなたに読み返してほしい本。
 

 

 
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