パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

落水紙 らくすいし

落水紙.jpg

落水紙という。
紙を漉くときに、水滴を落として作る。

 

漉いた紙がまだ乾く前、水滴を落とすと穴が開いたようになる。

今日、探しものをしていたら、引き出しのなかから出てきたものだ。
以前にも記事にしたN工房の永井さんのところで、6年も前に頂いた残りである。

私はしょっちゅう探しものをしていて、いつも探していないものを見つける。
懐かしいなあ。

 

この落水紙、当時、工房にお邪魔した時に初めて見た。
何かに使った後の大量の切れ端がおいてあって、とても珍しく思った。

ためすがめす、ひっくり返したり透かしてみたりして、
あまり感心しているので、「好きなだけ持っていってもいいよ」と永井さんにいただいたのだった。

それがまた封筒にちょうどよい幅だったので、たくさん作って配ったりした。
これも手作りのカードの表紙が透けて見えて、和風のレースのようでなかなか新鮮なものだった。

 

 

この10年、和紙も見直され注目されてきたようだ。

でも、本当にいい和紙はあまりないように思う。
私の好きなのは、なんの変哲もない白い無地の和紙。
紙の差が最もはっきりする。

しっとりときめ細かく美しい光沢があって、内側から光るように見える。
なんでこんなに高いのかな、って思うが、やっぱり比べてみるとどうしたっていいものはいい。それだけの価値がある。

 

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