新しいいのちにあふれた新宿御苑のユリノキ。萌黄色の葉がやわらかく芽吹く。
ユリノキは、とっても背が高くなる。北米では50m以上にもなるらしい。
この新宿御苑のユリノキも大きい。
樹齢は140年もあるそうだ。
雑木や桜の林を抜けて、開けた視界の中に、ユリノキはいつもシンボルのようにそびえている。
広々とした芝生の真ん中を通る道に、3本がひとまとまりになっているのだ。
「よらば大樹の蔭」とはいうが、ついそばに寄ってみたくもなる。
そして、「見上げてごらん~♪」
まだ葉が小さくて、木漏れ日というよりもずっとたくさんの陽が落ちてくる。
「でっかい木が好きなんだよう。だから、ハグしてちょうだい。」
触れてみる。
ざっくりとした木肌は軽く乾いて、ゴツゴツという感じではない。
根がモリモリとしていて、3本が絡み合うそのくぼみに昨日の雨が溜まり、桜の花びらが浮かんでいる。
1月の景色。
遮るものがなく、直接あたる冷たい北風にも耐えてきた冬のユリノキ。
140回もの春を迎えてきた。
私が生まれる前から、ドコモのビルができるずっと前から。
▶植物事典 モクレン科 ユリノキ属 学名:Liriodendron tulipifera
別名:ハンテンボク チューリップの木