パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

彦根の町と、琵琶湖畔にて

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彦根城を拝んだ後、お堀沿いに走り、街並みを抜けて琵琶湖へ。

本当にきれいな、秋の午後・・・。

 

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町には古いままの建物や、復元した家屋が並ぶ。
屋根瓦の規則的な曲線模様と、黒い梁、白い壁の直線的なコントラスト。
超イイ~。

 

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運転手さんには、ゆっくりと走ってもらったのだけど、
動いてる車の窓からだとやっぱりよく撮れてないなー。

 

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琵琶湖から取り入れる水路の横を通る。
さわさわとススキがなびいて、きらめく光にあふれた、うっとりするような一瞬だ。

 

 

 

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「さとりさん、琵琶湖っておっきくて海みたいやから、びっくりしますよ~」
と連れ。(今日の連れは与一ではない)

 

うわー、本当ー!

波が寄せるとは聞いていたけど、海みたいだわー。
「でも、淡水なんでしょー?」などと言って失笑を買う。

 

 

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遠くに見えるのは多景島というそうだ。

湖畔に車を止めてもらい、カメラを持って走る。



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多景島のずっと左へ行くと、小さな突起物がポチっと見える。
ずずっとズームで撮る。
湖畔から「沖の白石」が見えるのは、珍しいとか。

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運転手さんも、この後お会いした地元の方も、この地を誇りに思い、大切にしているのを感じた。

郷土愛っていいなあ。
東京で生まれて東京で育ったから、そんな風にあこがれたりするのだろうか。

 

東京は、どんどんと新しいものが建って、どこの国かわからないみたい。
古いものは無くなってしまったら、新しく作り直すことはできないのに・・・。


役所なんかでも、何十億もかけてコンクリートの建物を作らないで、古い建築物を活用したり、日本の伝統的な建築手法を使って復元すればいいのに。

そしてその予算を、何十年、何百年それを維持することに使えば、そこに携わる職人さんたちの仕事が増え、たくさんの伝統技術が継承されていくと思う。

需要がなければ続くわけがない。

日本みたいに資源のない国で、伝統技術を残さなかったら、何が残っていくのか。
それは短期的な効率では計れない、豊かな資源だと思う。

 

 

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フランスでは、建物の外観は残して中だけ新しくしていく。
パリで感じることは、建物がいいからインテリアにお金をかけなくても、ちょっとしたものがとっても素敵に見えることだ。

もちろん、日本建築は石造りではないし、同じようには行かないかもしれない。

でも、伊勢神宮式年遷宮は、20年に一度行うことで、1300年もの長きにわたって、世代間に技術の伝承を行ってきた。

伝統を守る方法は、その国、その地方によって異なるのはあたりまえだ。
守りたい、という心があるかどうかだと思う。

 

 

京都では、「サンタマリアノベッラ」という香水ブランドが、古い町家をそのまま使ってお店を開いていた。
イタリアの古い修道院から始まるブランドが、日本の古都の、アンティークな建物や調度品と、「同じ古さ」でしっくりとくるのが納得。

ヨーロッパ調をまねして、古めかしてはあるけれど、新しいものでうわべだけ作ったインテリアというのは、やっぱりどっか滑稽だ。

 

うまく言えないけど・・・。そんな感じ!!

 

しばらく東京にいると、忙しさにかまけて心も瑞々しさを失ってしまう。
仕事だけど、やっぱり動くのっていいな。


感動って、体が動くと心も動くって、ことかな。

 

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