パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

時代小説考

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時代小説、歴史小説は古くならない。

 

はじめから古いせいもある。
アンティークのものは年代がたっても価値が落ちないのと似ている。
時代小説考などというとちょっと大げさだが、今日もまた、マイナーな話題で。

 

流行作家と言われトレンドを描いたものは、ベストセラーにはなるかもしれないが
5年、10年経つうちに何か古臭く、(けして古めかしくはない)滑稽に感じられるものだ。

それが100年後に古典になるかと言えばそうは思えない。

今日も授業で、「ゲラン」のある香水が出てきた、数年前にはやった小説の話になって、
「ホレ、あの、なんだっけ、作家が・・・ホラ、クリスタルじゃないやつ」
というように名前が出てこない。

一方、1000年前のことなら、10年たっても1010年前のことでしかなく、(極端な話)
しかも、人間の根本的な営みというのは不変で普遍なものだ。

歴史小説や時代小説からは、現代にも通じる人間の本性というものを学べる。
それも、自分史が書けるほどの歳になったからかなあ。。。

昔のことになぞらえて、実は現代を書いているものも多いと思う。
当時の風物も想像できるし、ワンクッション置くせいか生臭みがなくなって、
安心して読める。

何しろ、あんまりどぎついのは嫌だから。

 

小さい頃から時代劇が好きで、東映のも懐かしいし、テレビでもよく見た。
子供のころは勧善懲悪がスッキリして情操教育に良い。。。。

時代小説の中では、池波正太郎は大学生のころからよく読んだ。
司馬遼、五味康介とか、柴田連三郎。

三国志は吉川栄治も、北方謙三も、今は宮城谷氏のを途中まで読んでいる。

でも藤沢周平、30代には面白さがわからなかった。
40代に読み返して、なるほどと思った。
今でも時折読み返す。

年ごとに、いろいろな見方ができるようになり、知識や経験も増えた。

人生の含蓄を味わえるのはまだこれからだ、と思うと、
年を取るのも楽しみなことだ。

今度、藤沢周平

 

 

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写真は、佐原市小江戸の風景から

 

 

 

 

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