工具の魅力
使い込んだ古い道具、とりわけよく手入れされた工具には惹きつけられる。
いつもの朝は野菜や果物、生花の市場なのだが、
月曜日だけアンティークの市が立つ。
朝の待ち合わせはこの市場の反対側。
グラースの会社に行くために、車に乗せて行ってもらうのだ。
この日は約束の時間ぎりぎりになってしまい、心をひかれつつ小走りで通り抜ける。
でもやはり、このお店の魅力に負けて、寄り道してしまった。
超スピードで、何か小さくて魅力的なものを探す。いい道具は、形もこなれていてきれいだ。
みんな、こんな風に磨かれて第二、第三のユーザーに渡っていく。
しっとりと鉄味の良い道具たち。
金物工具はとても重いから、 あんまり大きなものは持って帰るのが大変だ。
たまたま、天秤のための古い分銅をみつけた。
すてきな形の、直径2センチから10センチまでずらっと並んでいたが、
一番小さいのを買うことにした。
法律の仕事をしている人へのおみやげにふさわしいように思った。
小柄で素敵なお店のお姉さん。南仏にはこんな感じの人が多い。