英名ポピー、和名はひなげし、漢名では虞美人草。
雛罌粟にCoquelicot(仏)をあててコクリコと読む。
この写真はフランスのひなげし。
「ああ皐月(さつき) 仏蘭西(ふらんす)の野は 火の色す君も雛罌粟(こくりこ) われも雛罌粟(こくりこ)」
この歌の背景を簡単に説明すると、
失意の夫、与謝野鉄幹を励まし、晶子はフランス行きを勧めた。
フランスに着いた鉄幹は晶子を呼び寄せ、彼女は単身シベリア鉄道に乗ってはるばる夫のもとにたどり着く。
再開した二人が手を取り合って、フランスに咲く燃えるようなヒナゲシの野に分け入っていくシーンである。
今日の新宿御苑、花壇に咲く可憐なポピーである。
朱色、黄色、白。こちらは情熱的というより愛らしい。
初夏の風にやさしく揺られる姿。
ポピーは匂いのない花だけれども。
細くきゃしゃなステム(茎)、ちくちくと毛の生えた蕾の中にシルクのような花びらがたたまれているなんて。
「ケシ(ソムニフェルム種)、アツミゲシ(セティゲルム種)からは、採取が禁止されている「アヘン」が取れる。
小平の「薬用植物園」は、通常は栽培禁止の「ケシ」を研究目的で保存栽培している珍しい植物園。通常は2重の柵で囲われているが、花の時期だけ内側の柵の中まで入れる。(5月中旬の2週間くらい)
だいぶ前になるが、初めてみた時に、ポピーに比べてその大きさに感動した。もう終わりに近かったが、私が見たのは紫色のケシ。これは、妖しく美しい。白いのも少し残っていた。
花が散ると子房がふくらんで、ここに傷をつけてアヘン樹脂を採取するらしい。製造時はひどい臭いがするらしく、人里離れていないとできないらしい。
ここにはとても珍しい、「ヒマラヤの青いけし」もある。」