パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

虞美人草(ぐびじんそう) ポピー

虞美人草は、ヒナゲシやポピーといったほうがなじみがあるかもしれない。

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あまり匂いの印象がない花だけど、薄い、紙細工のような花は、色とりどりできれい。

「こどもらしい明るい花」だと思う。

ガラスのコップに刺し、陽のあたる窓辺に活けると、毛むくじゃらの蕾がぱちんと割れて、
中からオレンジや黄色のシルクを丸めたような花びらがのぞく。
うつむいていた顔をあげて、みるみるうちに開いていくのがわかる。

これは、以前紹介したバノーの公園のポピー。白。


一方、ケシ(ソムニフェルム種)、アツミゲシ(セティゲルム種)からは、採取が禁止されている「アヘン」が取れる。

小平の「薬用植物園」は、通常は栽培禁止の「ケシ」を研究目的で保存栽培している珍しい植物園。通常は2重の柵で囲われているが、花の時期だけ内側の柵の中まで入れる。(5月中旬の2週間くらい)

だいぶ前になるが、初めてみた時に、ポピーに比べてその大きさに感動した。

もう終わりに近かったが、私が見たのは紫色のケシ。これは、妖しく美しい。白いのも少し残っていた。

花が散ると子房がふくらんで、ここに傷をつけてアヘン樹脂を採取するらしい。製造時はひどい臭いがするらしく、人里離れていないとできないらしい。らしいというのは、園には資料室もあるからで、体験談ではない。

ここにはとても珍しい、「ヒマラヤの青いけし」もある。きっとヒマラヤの空はこんな色なんだろうな。

今ちょうどケシの時期なので、小平の植物園にぜひ行ってみて。

http://www.tokyo-eiken.go.jp/plant/yakuyo001.html

 

▶ 花事典 ヒナゲシ :ケシ科 ケシ属  学名:papaver rhoeas L.

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