パチュリはカシミアショールなどの虫よけとして使われた。
インドネシア原産で、インド、マレーシア、ビルマなど熱帯地方でおもに生産される。
90センチほどの高さになるシソ科の植物で、葉を刈り取り、日に干してから蒸留して精油を得る。
収穫した葉を数日間山積みにして発酵処理をすることで、パチュリ独特のエキゾチックな香りが出る。
採油率をよくしようと、蒸留しすぎると、出がらしの様な匂いになる。真ん中のいいところだけを採ろうとすると、採油率は減って、当然高額になる。
フレッシュが命の柑橘系香料と違い、パチュリやサンダルウッドは、年月を経るほど良くなると言われる。
昔は鉄の窯で蒸留したので、のちに脱鉄処理を行ったが、今はステンレスの窯で作られる。
色は濃い茶色をしているが、カラレス(脱色)されたものもある。
パチュリに限らず、脱色した天然香料は匂いに物足りなさを感じる。
昔風と言えば、そうなのだが、やはり色のついたままの方が好みである。
透明感は出ないので、最近の香調には合わず、昔ほど使われない傾向にある。
▶ パチュリ パチョリ シソ科 学名:Pogostemon patchouli