パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

洋と和の水仙考,スイセン,Narcissus

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スイセンの学名、ナルシス。

自己愛の強い人をナルシストと言い、その言葉のもとが、ギリシャ神話のナルシスとエコーの物語から来ているということは、よく知られた話である。

ほら、自分の姿に見惚れて動けなくなる美少年である。


子供の頃に読んだギリシャ神話の挿絵では、ナルシス美少年はたいてい半裸で、その舞台は寒いというシチュエーションではない。
ミニの袖なし衣装はキトンとかキトニスコスと呼ぶらしく、白い布を被って紐でくくっただけ。。

緩(ゆる)い。
この花でこの気候でこの物語。
厳しさを感じさせる要素が少ないのも確か。

ラッパスイセンは、真ん中の副花冠と呼ばれる部分が大きく華やかであるし、咲く時期も暖かい春になってから。
フワフワした気分が楽しい、好きな花ではある。



そしてスイセンはもともと、地中海沿岸が原産地の植物である。

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日本に渡来したのはさほど古くないらしい。

桃山時代からとか、それよりも古い平安末期にもその花の絵がある、という説もあるようだけれども、少なくとも万葉集にはこの花を詠んだものがない。


江戸末期に書かれた「古今要覧稿(事典のようなもの)」によれば、
水仙は「厳寒に花を開き、香りも梅にをとらず...」
と始まり、愛(め)でるべきなのに古歌に詠まれていないのを惜しむと書いてある。

別名を「雪中花」という。
寒風に耐え、あるいは雪の中に凛として咲く姿は健気そのもの。

侘(わ)び、寂(さ)びに適(かな)い、茶室にも活けられ、
清廉(せいれん)という言葉にもそぐう、いかにも日本人が好みそうな風情の花である。


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ヨーロッパからはるばる大陸を横断してくる間に、だんだんと慎ましく姿を変えて、寒さにも適応するようになったのだろうか。

球根がどのようにして海を渡ったのかは知らないが、塩水にも強く、海岸に多く群生するというので、最後はぷかぷかと漂着したのかもしれない。(想像)




花の香りは種類によっても違うけれども、少し甘いフルーティに強いハニーグリーンとインドールのアニマル。

1輪2輪ならしらず、たくさんの水仙と一緒にいるのは、冷たい乾いた戸外でなければ辛いかもしれない。


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「ナルコシス(narcosis)」、麻痺というのはナルシスと語源を一つにするという。
漢字も成り立ちを探ると面白いが、英語もまた由来が繋がって「へえ」と思う。

全草に毒(アルカロイド)を含む。







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